2016年06月30日

マークサーチをリサーチする?

r5_marcsearch2

 

マークサーチはアメリカのカルフォルニア、オークランドに住む、スー・マークと、ブルース・ダグラスの二人組のユニットです。日米友好基金主催の日米芸術家交換プログラムで来日。公益財団法人国際文化会館の支援を受けています。金沢には二か月間の滞在です。

アーティストは日々、生活と作品社会と作品との間で、自分の立ち位置を模索していくものだと思います。この金沢においてでさえ、観光産業による町の変化が起こり、政治的、社会的な意味でいったい私たちはどこに向かおうとしているのか、アーティストとして冷静に目を凝らしていかなければならない素材にあふれています。

2000年以降、ソーシャリーエンゲージド、あるいはコミュニティエンゲージド、と呼ばれる、社会や小さなコミュニティとのつながりを持つことを作品とする、アートなのか社会活動なのか定義が固定されにくい、比較的新しい分野が起こっています。マークサーチはいち早くアメリカでこのソーシャリーエンゲージドの行動を起こした第一波になると思います。

1960年代からはじまった、従来の美術の保守性に対して反旗をひるがえし直接行動にでるハプニング、という言葉はご存知でしょう。アメリカでアラン・カプローが最初に使いだした言葉で、日本では赤瀬川原平達のハイレッドセンターが特に有名です。また大自然の地域に根付いた歴史や、町並みに沿って作品を発表する、妻有や瀬戸内芸術祭など、来年は石川県珠洲市でも開催予定の、美術館以外の場所で展示する地域アート、と呼んでいるようなものがすでに多くの試行を重ねられました。

しかしながら、マークサーチの言葉を借りればそれはすべて、アートという言葉を前提としての、活動や行動であり正当でも反発であってでも、アートを意識しているものであることは変わりません。マークサーチの考えはそれとは少し違い、彼らは自分達のことをアーティストと呼ぶより、むしろ、リサーチャーだと呼んでいます。人々が、社会に対してある種の気づきや発見のきっかけになる、彼らの発見が多くの人々を巻き込んでいく過程そのものが、社会に穏やかにくさびを打ち込み、波紋を起こしていくことになる。

彼らはこの金沢に潜入し、リサーチしていくのですが、同時に私の側もマークサーチをリサーチし、大いに彼らの手法を参考にしたいと感じているところです。

 

Suisei-Art  中森あかね

Tracing+Finding

 

2016年06月30日 | Posted in Research 5 | | No Comments » 

関連記事